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~料理に少しのサイエンスを、キッチンにクリエイティブを、そして嫁に褒められるメシを作りたい〜

醤油を使いこなせるかどうかは、塩加減と色味をマスターするかどうか

醤油を使いこなせばすべての料理はうまくいく

醤油の種類と塩味について

1日目のブログ記事は塩をテーマに書きましたが、2日目のテーマも特に日本食には欠かせない調味料の一つである“醤油”をテーマにした記事を書きたいと思います。


そもそも醤油は塩と異なり、複合的な味を持つ調味料であり、さらに香りと色がある調味料で、味と料理の見た目にも影響を与えます。だから、食材に塩味を付ける目的で醤油を使う時には、塩だけで味付けするときに比べてそれなりの注意が必要です。


では、まず、塩の塩加減と種類について説明してみましょう。

醤油は普通、濃口醤油と淡口醤油などの大きく2種類いに分けられます。濃口醤油の塩分濃度は15%、淡口醤油の塩分濃度は16%程度です。このように濃口醤油と淡口醤油で分けても塩分濃度の違いは1%弱しかないのです。


また、醤油の塩分濃度と料理味覚に感じる塩加減とは必ずしも一致しません。同じ濃口醤油といっても、味覚に感じる塩味にはばらつきがあります。


さらに醤油は、JAS(日本農林規格)により製法、品質が定められています。製法については、本醸造、新式醸造、アミノ酸混合の3種類に分けられ、その品質について特級、上級、標準品と分類されています。


しかし、JASの標準であっても、塩加減に関する規定や測定方法については特別な分類はなく、同じ本醸造の濃口醤油であっても塩味については一律ではありません。醤油は商品ごとにその塩味がそれぞれに異なることがよくあります。


それでは、どうして醤油にここまで塩加減が異なるのかというと、そこには原材料の種類や質の違いが醤油の塩味を左右するためです。

なぜ、醤油の味に違いが出てくるのか

醤油の基本的な原料は、大豆、小麦、塩になります。それらの原料にどんな種類や質のものを用意するのかに、仕上がった醤油の味や香りは違ってきます。


大豆の場合、丸大豆か脱脂処理された大豆のどちらか、または両方を混ぜて使われ、その割合によって醤油の塩味が変わってきます。これはその他の材料、小麦、塩でも同じことで、を使う量や割合でできる醤油の塩加減が変わってきます。


まずここでの本題である、醤油の違いがなぜ生まれるのかというと、醤油にはアミノ酸や乳酸といった多種類の旨味成分が含まれていますが、その旨味成分が原料によって左右され、その味成分の違いが完成品の塩加減に影響を与えます。

醸造時の最終処理でも塩味に差が出ます

醤油は一時、新式醸造やアミノ酸駅混合などの化学的生産方によるものが増加しましたが、それでも現在でも本来の発酵法である本醸造が主流になっています。

ところがこの醸造方法にも問題が生じます。現在では、モロミに使用する麹や麹菌の選別方法や種類が進歩したため、また選択肢が多くなるのです。従来の製法で醤油を作るとJASの規定よりも旨味成分が濃い醤油ができるようになってしまったそうです。


その結果、塩分濃度・旨味成分濃度を調整するために、火入れ前のモロミを絞った状態の時に食塩水を添加することが多くなってきたそうです。このように最後の処理段階で塩を加えると醤油の塩味はかなり尖ったものになりやすいのです。


さらに、醤油の原料の一つである塩も、味の尖ったイオン交換膜法で作った高純度の食塩から、昔ながらの海水から製塩したまろやかさのある自然塩までとその味に差があることから、醤油の塩味は商品ごとに塩加減が異なってきています。


だから、醤油の塩味には違いがあるということに料理を作る人は頭に入れておかなければなりません。味の良い料理や、均一の味を作ることもできなくなってしまいます。

醤油の塩味には「味の抑制作用」がある

醤油の味には、塩味だけでなく、酸味、甘味、苦味、渋味などの味にさらに旨味成分が含まれています。醤油の塩味が単なる塩と異なるのは、醤油にはこれらの複雑な味を持っているということです。特に、醤油の塩味を抑えるのが旨味成分です。


前にも書いたように、醤油には重量比で15%~16%の塩分が含まれています。一方、醤油には豊富な旨味成分も含まれているため、醤油をストレートのまま味わっても、濃厚な塩味なのにどこかまろやかさを感じます。


この塩味と旨味成分の関係を「味の抑制作用」といい、一方の強い味が他方の味で抑制されるように感じるのです。


調理のときには醤油を薄めて用いるが、出汁を加えて旨味を補うことで、塩味を尖らさないことが大切になってきます。特に淡口醤油では濃口よりも塩分が多いので、出汁の旨味をきかせて塩味を抑制する必要があります。(私のような関西人には重要!)

醤油の色で、塩味の感じ方にも差が出る。

醤油を使った料理には、当然ながら醤油の黒い色が付きます。そしてその色があるから、その料理が美味しさを増すということになります。


ここで、注意したいのは料理の色と塩味の感じ方にはかなり密接な関係があります。


人は食べるより先にまず目で料理を楽しみます。そして目で読み取った信号を脳に伝えるわけですが、これも料理の味に影響を及ぼしてきます。特に塩味に対しては、色が濃くなれば濃くなるほど、味も濃いと感じる傾向があります。


味覚官能テストといって、調理されたメンバーグループに味を採点させて、統計処理で味の傾向判断をする実験方法があります。食品の開発や製品のチェック法として食品業界ではよく行われている方法です。隣同士で話ができないように仕切りを設けるとか、照明などの工夫である。特に証明は大切な要素で、通常の白熱球とともに、赤色電球を設置することが多いです。


これはスープのように、うっすらと色のついている料理の場合、食塩濃度が同じであっても、色が濃ければそれだけ塩味を強く感じ、味全体も濃厚に感じるという結果が出ています。それをなくすために、赤色電球を付けて料理の色を判別できないようにして実験します。



だから、醤油のように食塩が自然と加わるような調味料を使用するときは、仕上がりの料理の色を常に考えている人が一流の料理人です。


たとえば、うどんやそばなどの麺類の汁は、関東では色が濃く、関西では色が薄い傾向にありますよね。そして、その味も関西よりも関東の方が塩味も強いと思われているようです。だが実際には食塩濃度を比べてみると、それほど大きな差はないというのです。


汁の色からくる見た目の感覚で、色の濃い関東の汁の方を食塩脳が高いと我々は錯覚していることになります。


ちなみに、吸い物たいてい黒い椀に入れて出された場合には、汁の色が分からないが、この時の味覚は、汁の塩分濃度の差をはっきりと判別することができます。色が分からなときには塩味の差を直接味覚で感知して判断するからです。

料理の色は醤油と食塩の使い方がカギ

料理に対する色の好みは、地域差が大きく出てしまいます。また、料理の種類により大きく異なるものです。最終的な料理の色をどのように仕上げるかは、味を左右する大切なポイントです。


だから料理の味付けに醤油を使う場合は、少輔が塩味を持っているだけに、細心の注意が必要です。すなわち、薄い色のついた煮物に慣れている人に、濃口醤油で調味した色の濃い煮物を出したのでは味が濃すぎると判断されてしまいます。


だから、調理の際には、濃口醤油、淡口醤油、たまり醤油、白醤油、再仕込み醤油などのうち、どれを使うのか工夫することが必要になります。その際、同じ濃口醤油でも、さきにあげたように、製造方法が本醸造か、新式醸造化かで微妙な違いのあることなども考慮に入れることが必要になってきます。


むろん、副材料としてみりん、出汁、酒などに何を使うのかも加味して醤油を選択する必要があります。


料理によって醤油を使い分けるという調理上の配慮は、調理における科学的な行為です。そして、このようなことは、知識とし知っておくことも必要ですが、自分の舌で色々と実験してみることが大切であり、経験を重ねないと判断が難しいかもしれませんね。

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