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揚げ物や炒め物でベトついた食感をなくすには

かき揚げはサクッと揚げたいですよね!

揚げ物や炒め物がべたつく原因

油を使う料理は、非常に多くあります。家庭でも飲食店でもその傾向は強まっています。それだけに現在の油がどのような性質を持っているか知っておくことも重要になっています。

以前は、揚げ物や炒め物をしても、からりとした料理に仕上がっていたはずなのに、近頃はどうもベトついた料理に仕上がってしまうことが多いと感じている人が多いのではないでしょうか。

これは油の種類や名称が同じであっても、油の性質が変わってきているからです。特に、油を構成している脂肪酸の種類が異なることに原因があります。だから、揚げ物の衣をどんなに工夫しても、ベトついた仕上がりにしかならないことがあります。


炒め物も同様で、さらっと炒め物仕上がらず、べっとりとして、材料の、表面が油でギラギラした状態になることが多いのです。炒め物の場合、ビーフンの炒め物や、焼きそば、野菜炒めでは特に違いがわかりやすい。


炒め物がベトついてしまう原因も、やはり油の性質が以前と大幅に変化しているからです。

油はどのように変化したのか?

では、油はどのように変化してきたのか?揚げ物によく使われる綿実油を例にとってみましょう。


以前は綿実油にしょうりょうのゴマ油や菜種油を加えて揚げ物を作ると、からりとして実に風味がよく仕上がりました。

綿実油は、加熱しても香りがほとんど出ない油なので、菜種油のように加熱後に香ばしい香りの出る油や、もともと良い香りを持っているゴマ油などを少し混ぜることで、風味の良い揚げ物を作ることができたのです。

以前の綿実油の脂肪酸組成を見ると、一価不飽和脂肪酸と呼ばれるものが大きな比率を占めています。

一価不飽和脂肪酸とは、化学式において、一箇所だけ不飽和の部分があることで、こういう油で揚げ物を、するとからりと仕上がり易いのです。


ところが、現在の綿実油は、製造過程の進歩において、極度に油を精製することができるようになったため、一価不飽和脂肪酸の少ない脂肪酸組成となっています。

なぜ、綿実油を精製するのかというと、油の性質をより良くするためではなく、めんを精製するときに出る精製カスの方に大きな魅力があるからです。この精製カスを純粋に分離して、食品加工用の植物油を作ることが目的です。

加工食品に油を使用するものが増加しており、需要が非常に大きくなってきたのでらその目的にかなった精製カスが大量に必要とされるからです。精製カスの主成分こそ、一価不飽和脂肪酸を、多く含むのです。

加工食品用の油は、多くはヤシ油を分離精製して製造していたのであるが、それだけでは不足気味で、精製の副産物として製造できるので綿実油の精製カスに注目されたのです。


そのため現在では、綿実油は過度に精製されたものとなり、この油で揚げ物や炒め物を作ると、大豆油を使用したときと同じようにベトついた仕上がりになってしまいます。

では、業務用に販売されている、揚げ物がカラッと揚がったり、炒め物がさっくりできたりする油はどういう油なのでしょうか。

多くは一価不飽和脂肪酸を主に含んだ油に少量の菜種油を配合したようなものです。これだと揚げ物がからりと仕上がるし、その上で超時間、次々と揚げ物をしても、油が酸化しにくく、あまりべとつきません。

配合される油は、パームオレインなと一価不飽和脂肪酸を主体とする油です。パームオレインは、ヤシ油から分離精製したもので安価に多量生産することができます。

配合していない油で、揚げ物や炒め物に良い油って?

ヨーロッパで揚げ物が誕生したのはローマ時代の頃からです。他の調理法に比べて、揚げ物は比較的新しい調理法です。

焼く、煮る、蒸すなどの調理法は人類が火を使えるようになり、熱に耐える容器ができた時代から延々と続いています。これに対して揚げ物料理は油が大量に使える時代でないと、到底作ることのできない贅沢なものと言えました。

ローマ時代にオリーブオイルが豊富に使えるようになり、初めて揚げ物料理ができるようになったのです。そのあともヨーロッパでは、オリーブオイルが揚げ物に使用され続けています。

オリーブオイルの脂肪酸組成を見ると、一価不飽和脂肪酸の含有比率が相当高くなっています。ということは、オリーブオイルで揚げ物をすれば、からりと揚がりやすいとうことです。

日本では業務用として、パームオレインを主体とする揚げ物用油を作っているのに対して、ヨーロッパではオリーブオイルという天然の植物油が揚げ物に使用されているということになります。

アメリカではヨーロッパのようにオリーブオイルでさが豊富に入手できないから、それに代わって高度に精製された揚げ物用のショートニング作られ、使用されるようになりました。

なぜ、大豆や菜種油では、からりと揚がらないかというと、これはリノール酸などの、不飽和の部分が2個以上ある多価不飽和脂肪酸が主体の油だからです。多価不飽和脂肪酸の比率が高いほど、からりとした揚げ物はできにくいのです。

特に、リノール酸の多い紅花油などは、揚げたてでないと、ベタベタして、とても美味しく食べられたものではありません。そのため、品種改良により、一価不飽和脂肪酸であるオレイン酸の含量を高くした高オレイン酸の紅花油も作られ、現在多く出回っています。

近年、オリーブオイルの輸入量がかなり多くなり、以前よりは価格も低くなっています。とはいっても、ふんだんにオリーブオイルを使って揚げ物をすることはやはり贅沢なことでしょう。

オリーブオイルに近い脂肪酸の組成を持っている油としてはゴマ油が挙げられます。しかし、ゴマ油には特有の強い香りがあるので、これを主体にして揚げ物をするわけにはいかないケースもあるしょう。そうなると、やはり揚げ物用に配合された油を使わざるを得ないことが多くなります。

炒め物では、ラードを使えば良い風味に仕上がりますが、しつこいため日本ではあまり好まれないようです。ラードの代わりにショートニングを使うとしつこさがなく、結果的に良いようです。

また、パームオレインを主体とした調理油も適しているでしょう。この油は寒い季節だと使用したあと、半固形状になることがありますが、これは脂肪酸の成分に不飽和の部分が少ないからで、固まったからといって使えないわけではありません。



差し油や再加熱時の煙について

揚げ物に長時間使った油でも差し油をすると油が長持ちします。確かに見かけはその通りで、まだまだ十分に使えそうです。しかし、油中に含まれている酸化防止力のあるビタミンEは、差し油した新しい油の中のものが減少し、それで油の傷みが少なくなっているのであって、油はやはり少しづつであるが酸化の方向に進んでいますり

酸化しにくいのは、一価不飽和脂肪酸や飽和脂肪酸の多いヤシ油などを主体にした揚げ物用の油で、差し油をしなくても酸化しにくいし、からりと揚がります。

また、いったん使用した後に冷えた油を再加熱した場合、初めに煙の出ることがありますが、これは酸化した油の部分が蒸発しているので、煙が出なくなれば酸化した部分はほとんどなくなっておりらかなり綺麗に揚げることができます。

以上のことを参考に、揚げ物な炒め物に使う油は、用途と仕上がりの香りなどを考えた上で選ぶようにしたいですね。

AJINOMOTO さらさらキャノーラ油 1350g

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