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魚の臭みとり、殺菌効果で、ヨーロッパのスープストックに重宝されているタイムというハーブ

http://www.flickr.com/photos/34912142@N03/4167866112
photo by Chiot's Run

ヨーロッパでとても古い歴史を持つスパイス

タイムもシソ科の多年草で、和名は「たちじゃこう草」。長さは7mmぐらいで、幅はだいたい2.5mmの極めて小さい葉が細い枝に密生し、初夏には淡紅色の花を密に咲かせます。地中海沿岸が原産地で南ヨーロッパ一帯に自生しているため、この地方では昔から広く利用されています。


日本へ渡来していきたのは明治になってからで、主に観賞用園芸植物として植えられてきたようです。タイムは土地、機構などの環境に対する適応力が強く、亜熱帯から温帯性の気候ならば、どこでも生育できると言われています。日当たりのいい、乾燥気味の土壌を好みますが、日本でも関東地方ぐらいの寒さならば越冬できるので、一鉢栽培しておくといろいろ楽しめるでしょう。生育の条件が良ければ、年二回くらいの収穫が可能です。

さて、タイムは長い歴史を持つハーブだけに、ヨーロッパには様々なエピソードが残されています。例えば、蜂はタイムの香りを大変好み、一度嗅ぎつけば後ずさりしない・・・、と言われています。古代ギリシア人は、タイムがたくさん生えているアテネ市近郊のヒメタス山からとれた蜂蜜を賞味していたとか。現在でもタイムの花は蜂蜜に採用され、精油が蜂蜜用香料として用いられています。

ローマ時代の兵士たちはこの蜂の行動を、不変の勇気や力強さと結び付けて考えてきました。タイムを浸した水を体に浴びて活力や勇気などの力強さが得られるという習わしがあったり、タイムの枝を身につけたりしたのもその一例です。この習慣は中世の騎士道の時代まで続き、貴婦人たちは戦いに出る騎士に、タイムの小枝を縫い付けたスカーフを贈った、というのは大変有名なエピソードです。

タイムの特徴はその殺菌効果、スープストックに最適

このように、いろんな形でヨーロッパ人に古くから親しまれてきたタイムですが、もちろん料理の分野でもヨーロッパではきわめて重要なスパイスとなっています。

タイムは独特の清々しい芳香とほろ苦さに特徴があり、肉類、とくに魚介類の生臭みを消すのに最適です。また、加工食品の分野でも、臭み消しの目的でソース、ハム、ソーセージ、トマトケチャップなどに用いられています。


特に、ヨーロッパの料理では、極めて重要なスパイスになっています。
タイムの精油中にはフェノールが多く、チモール、カルバクロールなども多く含まれています。これらは殺菌効果がある成分なので、料理面でもこの作用を活用することが多くありました。

タイムを使うときは、食材と一緒に十分煮込む

タイムは最近では日本でもポピュラーなスパイスとなり、フレッシュな葉も入手しやすくなっています。生の葉も乾燥したものも適用範囲が広く、ことに魚介類によく合うことから、日本人にも使いやすいスパイスと言えるかもしれません。


ブイヨンやスープストックなどを調理するときに、香草を束ねたブーケガルニを加えてガラの臭みをとりますが、このブーケガルニにタイムは欠かせないスパイスです。また、欧米では、魚を茹でてから調理することが多いのですが、この茹で汁にブーケガルニを使い、臭み消しと香りづけの効果をもたらせています。


ハマグリや魚のチャウダー、コロッケなどにも向きますし、肉料理ではセージと同様、詰め物などによく使われます。臭み消しの目的で使うときは仕上がりにふりかけてもあまり効果はなく、素材と一緒に十分に加熱するのがコツ。


また、ホールをオリーブオイル酢に漬け込んで調理やドレッシングに使ったり、ハーブティーにしたり、気軽に試してみてはいかがでしょうか。

マスコット タイムFD 5g

マスコット タイムFD 5g

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