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レモンとお茶のいいとこどりの爽やかなスパイス、レモングラス

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photo by QuintanaRoo

レモンのような芳香とお茶のようなほろ苦さが

レモングラスはインド原産のイネ科の多年草です。葉の形はイネとよく似ていて、根元は太く、先は細く尖っています。根に近い部分は膨らんでいます。アジア、アフリカ、中南米の熱帯各地域やスリランカ、ビルマ、台湾、インドネシアなどに広く分布していますが、栽培はグアテマラ、ハイチ、ブラジル、マダガスカルなどで行われています。


また、レモングラスの近縁種に「インドレモングラス」があり、これはインド南端のマドラス地方などで栽培されています。20世紀の初めまでは両種の区別が明らかでなかったため、一括してレモングラスとして扱われていました。現在では、レモングラスを西インドレモングラス、インドレモングラスを東インドレモングラスと呼び分けています。


栽培は冬場の管理に気を付ければ、それほど難しくはありません。根つきものを買って来てそのまま鉢植えにするか、じかに路地植えにして簡単に栽培できます。

レモングラスはその名が示すように、葉や茎部にレモンによく似た甘い芳香を持っています。また、いくぶん青臭い、お茶のようなさっぱりした芳香も感じられます。はじめてレモングラスを手にしたとき、そこらの雑草のような外観と、レモンのような甘い香りのミスマッチに、ちょっと驚いた経験を持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか。


このレモングラスの芳香成分である精油の主成分はレモンと同じシトラールで、精油の70~80%も含まれています。西インドレモングラスと東インドレモングラスと比べると、香味の特徴はよく似ているのですが、全般に東インドレモングラスのほうがシトラールをたくさん含んでいるため、レモン様の芳香感が強いと言えます。料理への適正はどちらもだいたい同じと考えて結構です。


スパイスとしても使われるのは茎の部分ですが、東南アジアでは根本の白い部分も料理に用いられることがあります。


産地である熱帯、亜熱帯の国々では、さまざまな料理に芳香付けの目的で使われていますが、魚料理や鶏肉料理に用いると、わずかならが臭み消しの効果も期待できます。マレー地方では昔からレモングラスの葉を素焼きの鉢に入れ、その香りを酒に移して飲んでいるそうです。


最近、乾燥した葉は日本でも手に入りやすくなり、値段も割に安いので、ポプリやハーブバスなど、食用以外の分野でもシトラールの香りを楽しむことができます。

レモングラスはエスニック料理に合う、魚や鶏肉の臭み消しにも

生の葉は薄皮をむき、スライスまたはみじん切りにして料理に加えます。乾燥した葉は通常、細かく切るか、パウダーにして使います。しかし、長いままの葉を適当な長さに切り、おでんの昆布のように結ぶか、ガーゼの袋に包んでおくと、スープや煮込み料理などいろいろな場面に使えて便利です。


マレー地方やインドでは、乾燥した葉をそのままカレー料理に加えたりします。スープやソースに加えてもよく、たとえば魚のすり身団子を入れたタイ風のスープなどによく合います。


このようにエスニック料理の雰囲気を出すのによいスパイスですが、フランス料理のブーケガルニの一成分としてスープやシチューなどに少し加えても、さっぱりした、ほのかなレモンの芳香感が味わえます。


フレッシュな若葉が手に入ったら、適当に刻んで、ハーブティーに加えたりそのまま味わったり。油でさっと揚げても、爽やかな芳香が味わえます。