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カレーを美味しそうな色に染め上げるターメリック

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photo by Steven Jackson Photography

カレー粉の色付けに使われるターメリック

カレーパウダーの黄色や日本の伝統的な漬物であるたくわんの黄色は、ターメリックによるものです。地方ではたくわん用の色素として、「色粉」の名前で市販されているパウダーがありますが、これもターメリックの粉末であることが多いようです。


このターメリックの和名は「うこん」。ショウガ科の多年草で、スパイスとしてはショウガと同じように、根茎部を利用します。ショウガによく似た根茎を掘り出して、一度湯煎し天日乾燥したのち、これを粉末にして利用に使います。


ターメリックはやや土臭いショウガ用の芳香と、わずかな苦味をもっていますが、スパイスとしての最大の特徴は、黄色の着色作用にあります。白いシャツにカレーの染みを付けると、洗濯してもなかなか落ちません。このことからも、ターメリックが強い着色力を持っていることがわかるでしょう。


そのため、昔から食品だけでなく、黄色の染料として、絹や羊毛、皮革などの染料に使われています。インドネシアでは結婚式のときに、花嫁と新郎の腕をターメリックで染めたり、黄色く着色したご飯を食べたりして祝います。

また、ターメリック水をオーデコロンのように身体に刷り込み、化粧品としてターメリックを顔に塗ったりしています。東南アジアでは魔除けとして利用するところもあります。小さな根茎を生まれたばかりの赤ん坊の首にかけたり、歩ける世になるまで毎日こどもの頭にターメリック水を軽く注いだりするのです。


サフランの貿易は西洋から東洋に向けて行われましたが、ターメリックは逆に東洋から西洋に向けて行われました。ヨーロッパには1759年に運び込まれたという記録がありますが、その後中世のヨーロッパで“インドのサフラン”として広く知られるようになり、値段も比較的安価なことからサフランの代用品として利用されたのです。


ターメリックの色素成分はクルクミンで、油によく溶ける性質を持っています。またクルクミンは、酸性とアルカリ性とでは色が変わります。酸性域では黄色の色調を示しますが、アルカリ性では褐色に変化します。そのため、化学分野ではpHの指示薬として利用されています。


カレーパウダーには、約20%配合して全体を黄色く着色しています。よくカレー料理は色が黄色いほど辛いと思っている方がいますが、色と辛さとは関係がありません。実際にスリランカでは黄色くない激辛のカレー料理があります。

ターメリットは油でよく炒めて、土臭さを消す

ターメリックは油によく溶けるので、油を使った料理にはとくに効果を発揮します。


ただし、特有の土臭さがあるので、多量に使うと、料理によっては向かないものがあります。とくにピラフなどにはサフランの代用として用いる場合は、注意が必要です。よく加熱すれば土臭さは弱くなります。また、タイム、ガーリック、オニオンなどを併用しても、ターメリックの土臭さが抑えることができます。


たとえばカレーパウダーを自分でブレンドする場合も、日本人の嗜好性を考慮し、ターメリックパウダーをよく炒って土臭さをとってから使うとよいでしょう。色もよく炒ると茶色が濃くなり、美味しそうにみえます。


ヨーロッパではマーガリン、チーズ、リキュールなどの着色にごく少量を用いたり、ピクルスやマスダードなどにも使われています。


ターメリックの色素は水に溶けにくい反面、スピリッツなどの酒類にはすぐ溶けるので、酒類と一緒に使うか、酒の中に溶かし込んだものを料理に使う、など工夫してみるといいでしょう。

マスコット ターメリック 30g

マスコット ターメリック 30g