餃子の焼き方は難しい、少し水を加えて焼き上げる
本場中国では、餃子は茹でて水餃子にしたり、セイロで蒸したりするのが正統派です。焼き餃子は、残り物の餃子を温めなおすとき作るくらいで、従業員用の賄い食だそうです。
しかし、日本の餃子の主流は焼き餃子。
ビールのお供に良し、ご飯にもよし、あの焼き色の付いた香ばしさと、プリプリした食感がたまらないですね!
餃子を焼くときは、焼き目をつけるのは片面のみでひっくり返さない。そして途中で水を加えて蒸し焼きにするのが普通です。
水を加えずにそのまま焼いたのでは、仮に焼き鍋やフライパンに接している方が焦げるまで加熱したとしても、反対側に十分熱が通らず、皮がパリッと硬いまま、という事態になるからです。
下の皮が直接加熱されている間、その反対側で空気に触れている方の皮は乾燥します。冷たい餃子の皮の主成分は、加熱する前の米や酢と同じように、硬くて粘りのないβデンプンなのだが、十分な水分を加えて加熱するとαデンプンに変化して柔らかくなります。
水分が30~40%あればデンプンの糊化は60~70℃から始まります。しかし、水分が不足すると、この糊化が進みません。
一方に美味しそうな焦げ目がついても、反対側が硬いままになるのはこういうわけなのです。
また、餃子の具は、すべて生のものなので、きちんと火を通す必要があります。フライパンで片面を焼いているだけでは、皮でくるんである分、熱の通りがよくありません。
底の皮にほどよく焼き色がついたら、水を加えて蓋をすると、ジュワーというおとともにフライパンや焼き鍋の中に水蒸気が充満して、全体をまんべんなく加熱してくれます。火が通るまで数分間待った蓋をあけて強火にし、水気を飛ばして出来上がりです。
最後にゴマ油を少し回り入れるとコクが出ます。
目玉焼きも水を少し加えて焼いた方が美味しい
目玉焼きを作るときも、水を少し加えて蒸し焼きにします。これらはデンプンではないので、糊化は関係ないものの、水蒸気の力で乾燥を防ぎながら全体に火を通し、自身がふんわり黄身は半熟の状態にするのです。
とはいえ、なまじポピュラーな家庭料理なだけに、目玉きは大変好みがわかれる料理です。
白身の端が少しカリッとするくらいがいい、とか、黄身に膜がかかるのは嫌だなど、うるさい人が多い。せっかく完璧に作ったと思っても文句を言われることがあります。
彼女に初めて作ってあげる際には、あらかじめ詳しく好みを聞いてから焼き始めるべし。