Kitchen LAB&BAR/キッチンが俺の研究所であり、バルである

~料理に少しのサイエンスを、キッチンにクリエイティブを、そして嫁に褒められるメシを作りたい〜

糖質オフしたら脳の働きが鈍くなる?脂質もケトン体に分解されて脳のエネルギーになる

Trio of Chocolate Mousse Cake

脳に糖分が不足してしまうと頭が働かないと考える誤解

糖質オフに対する不安の一つは、糖分や糖質を摂らないと脳が働かず、仕事に支障がきたすんじゃないかって思っている人も多いのではないでしょうか。少し頭を使ったからチョコレートを摂らないと・・・と、少しであれば問題ありません。ついつい食べ過ぎる人は注意が必要ですが。

糖質だけが脳のエネルギー源ではありません。

誤解されてきたのは、脂質が脳内に入れないから、脂質は脂肪酸に分解されて細胞のエネルギー源になりますが、脳に酸素と栄養を与える血管に設けられた「血液脳関門」という関所のような構造を脂肪酸は通過できないのです。

食べてカロリーになる3大栄養素のうち、タンパク質は身体を作る役割のほうが大事ですから、安静時に体内のエネルギー源になるのは糖質と脂質。このうち脂質が脳に入れないのなら消去法で糖質しか脳のエネルギー源にはならないと考えられていたのです。

肝臓で作られたケトン体は脳に送られてエネルギーになる

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絶食時のように糖質を完全に絶った状態では、脳を動かすために必要なエネルギー源のおよそ30%はケトン体で賄われています。30%はケトン体で賄うとしても、70%は糖質で賄われています。


そう聞くと「やはり糖質を摂らないと脳のエネルギー不足が起こる」と誤解しがちですが、この糖質も肝臓と筋肉を中心とする糖新生でカバーできるのです。


脳は体重の2%ほどの重さですが、安静時の消費カロリーの約20%(標準的な体系で1日に300kcal)を消費しています。


仮にそのすべてを糖新生でカバーしようとすると、1時間当たり約3gの糖質が必要になる計算ですが、肝臓は糖新生でその2倍にあたる1時間に6g前後の糖質を合成する能力があるのです。


体内には糖質しかエネルギー源にできない細胞もあります。それは赤血球や角膜などの細胞。脂質を代謝するには細胞内にミトコンドリアという器官が必要です。


これらの細胞はミトコンドリアを持たないために糖質をエネルギー源にするほかないのですが、この糖質も糖新生で供給されます。


このように理論上は、安静時は糖質をまったく摂らなくても、人は生きていると考えられています。