Kitchen LAB&BAR/キッチンが俺の研究所であり、バルである

~料理に少しのサイエンスを、キッチンにクリエイティブを、そして嫁に褒められるメシを作りたい〜

本みりんは煮きりをしてかアルコール分を飛ばしてから使う

本みりんに含まれるアルコールのおかげで深い甘味が引き出される

自宅 みりん干し

本みりんにアルコールが含まれているのは、みりんが本来はサケとして飲むためのものだったからです。しかし、調味料として使うときには、料理によってはアルコール分が余計なものとなるから、煮立ててアルコールを飛ばす必要があるのです。


それなら、最初からアルコールを使わなければいいのではと思いがちだが、このアルコール分が本みりん独特の味を作っているからです。


本みりんは、醸造アルコールや焼酎の中にもち米と米麹を入れて熟成させるものだが、もしこときアルコール分がなければ、様々な微生物が繁殖してうまくいきません。アルコール分が余計な微生物の発育を抑えている間に、麹カビの酵素がゆっくりとデンプンを分解して、深い甘味と多種多様なうまみを引き出すのです。

本みりんは別の鍋で煮立ててから使うのが定石

そこで、調味料として本みりんを使うときには、アルコール分を除くために、調理するとは別の鍋で煮ます。これを「煮きり」と言います。本みりんに含まれる14%前後のアルコール分は、鍋に本みりんを入れて煮立てれば自然に飛んでしまいます。


アルコールの沸点は78.3℃なので、軽くグツグツさせた程度で揮発してしまいます。


ただし、火が強すぎると焦げてしまうので、中火で煮ること。このとき、揮発したアルコールに火をつけると、本みりんが適度に焦げて香りづけにもなり、アルコールを手早く飛ばすことができます。日本酒も同様に軽く煮立ててアルコールを飛ばすことで、よい風味だけが残ります。

そばつゆや酢の物の調味液など、さっと合わせるだけのものは、あらかじめ煮きってから使うが、調理の過程でタイミングを見はからって入れる方法もあります。

イモなどデンプンの多い野菜を煮る場合には、最初から本みりんを全量入れると固くなってしまいます。だから、分けて入れ、最後に残りを加えるようにします。


アルコール分と一緒に生臭みなどを飛ばしたいとき、たとえば魚のあら煮などのときは、最初からあらと一緒に煮きりしていない本みりんを加えて中火で煮ます。タコやアワビなどの魚介類、または肉類など、強い加熱で固くなりやすいものの場合も、材料と一緒に最初から入れてじっくり加熱するとよいでしょう。

みりんがなくなってしまった時でも慌てない

いざ、というときに不思議と切らしていることが多いのが、本みりんのような調味料だが、他の調味料などをアレンジして代用できます。

甘味は砂糖でカバーできるが、三温糖が望ましい。あら煮など、アルコール分が必要なら日本酒で補います。旨味は、コンプと鰹節のだしを濃い目にとって調整する。

こうしてみると、この複雑な調味効果が手軽に得られる本みりんの偉大さがわかるというものです。