Kitchen LAB&BAR/キッチンが俺の研究所であり、バルである

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アイスクリームの成分の組み合わせは無限大の可能性がある。

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アイスクリームの美味しさの秘密ってなんでしょうか

私もアイスクリームが大好きで、この季節には食べずにはいられません。最近のアイスクリームは、バラエティーにかなり富んでいます。アイスクリーム好きは多いと思いますが、一年中冷たい物を食べるオーストラリア人はは年間一人当たりそれぞれ17ℓ以上食べるそうです。。


一般的なアイスクリームは、牛乳、水、クリーム、砂糖で作られています。しかし、アイスクリームの成分をちょっと少し変えたら、ジェラート【カスタードをベースにしたアイスクリーム】、シャーベット【乳成分を含まないフルーツベースの氷菓】、フローズンヨーグルト、フルーツアイスなどに変わります。


僕がアイスクリームを好きな理由は、舌の上でとろける口当たりだと思います。冷蔵庫から出した直後のアイスクリームは、冷たくて硬いんですが、口の中でゆっくり溶けるにつれて、滑らかでクリーミーな液体へと変わっていきます。そして、アイスクリームの好みというのは、フレーバー、テクスチャー、そして口の中に広がる清涼感の組み合わせによって決まりますよね。

ほとんどのアイスクリームは同じような成分から作られているわけですが、それらがもつ口当たりと感覚は異なります。例えば、シャーベットは、アイスクリームよりも通常少し冷たく感じ、テクスチャーは全く異なった味がありますね。とても口どけがよく、舌の上でさらっと消えてしまうのもあれば、余韻が残るものもあります。

どうして、同じアイスクリームの成分なのに、そのような違いが生まれるのでしょうか?


アイスクリームやシャーベットもミクロな世界でその構造を見ると、とても複雑な構造をしていることが分かります。アイスクリームの構造を細かくみていると、凍結してない砂糖用液の中に氷結晶と気泡が埋め込まれた状態であることが分かります。

これは水の一部が氷になっているため、未凍結相中の糖濃度が実際上昇するからです。アイスクリームの構造は、これらの異なる成分の割合、特定成分、さらにアイスクリームの製造工程によって決まります。アイスクリームの微細構造は固さ、冷たさ、融解速度、クリーミーさ、そしてフワフワ感といったデザートの感覚特性を決めるのに重要なファクターになります。

そのため、その微細構造は、アイスクリームを食べる際の私たちの感じ方、容器からすくいやすいさ、そしてアイスクリームの特徴的なテクスチャーを損なわずにどのくらい保存できるのかを決めています。

アイスクリーム中のすべて成分がどのように相互に関連しているか理解することで、特徴的なアイスクリームを作ることができるでしょう。

アイスクリームの中での氷の存在

アイスクリームのなかで最も重要な成分は、氷です。皆さんもご存知の通り、液体の水は0℃で固体になります。

アイスクリームは、通常-14℃~ー10℃の温度帯で食べられます。もし、アイスクリームが水だけでできていたら、その温度帯ではすべての水が氷へと変わり、そのアイスクリームは、非常に硬く、食べることがほとんどできなくなってしまいます。

そのため、アイスクリームの中の氷の量はコントロールされていて、水の一部を液体状態のままにされています。。


アイスクリームの中で、水を部分的に凍結させるためには、水の凝固点を低下させる必要があります。例えば、砂糖、塩、アルコール、他の添加物などといった様々な成分をアイスクリームの原料に加えることで、水の凝固点を低くしています。これらの成分は、アイスクリームを作る過程で「凍結防止剤」として働きます。水の凍結開始温度を下げるので、固体となる氷の量が決まり、固体となる氷の量が決まり、その結果としてアイスクリームの硬さが決まります。

*砂糖や塩を混ぜて水が氷る温度を下げる
上に書いたように、砂糖、塩、またはアルコールのような小さな分子が溶液に溶かされると、その液体の凍結し始める温度は0℃未満になります。この現象は「凝固点降下」として知られています。

水に砂糖や塩、アルコールなどの様々な分子を溶かすことにより、水分子の間に非水分子が入り込み、水分子は容易に凝集できなくなり結晶を形成しにくくなります。非水分子が多く存在すればするほど、水が固体になるのが難しくなり、固体結晶水である氷を作るには、溶液をより冷やす必要があります。

そのため、「分子の数」が凝固点降下を決定します。重量当たりで言えば、1gの食塩には1gの砂糖の約4倍以上の分子が含まれています。そのため、塩などの低分子は、砂糖などの高分子より比較的凝固点を低下させます。

塩やアルコールも凝固点を下げることができるので、糖以外の凍結防止剤を一定量用いることで無糖アイスクリームを作ることもできるわけです。塩アイスクリームや酒かすアイスクリームがそれにあたります。ただし、塩やアルコールで凝固点を低くする量は糖に比べてかなりの量が必要になるわけです。

このように凍結防止剤は融解挙動に影響を与えるため、添加物が固さや冷たさといったアイスクリームの感覚的な特性に大きな影響を与えると言っていいでしょう。

つまり、口当たりの良いアイスクリームを作るためには、添加物の相対量をコントロールする必要があります。例えば、あまりにも多くの砂糖を使うと、アイスクリームは柔らかく、そして甘くなり過ぎます。

しかし、砂糖があまりにも少なくなってしまうと、アイスクリームは固くなり過ぎ、甘さが足りません。そのため、微妙なバランスを見出さなければなりません。

凍結温度

ヨーロッパのスーパーマーケットで見つけた「Solero Shots」や「Calippo Shots」が僕のお気に入りのアイスクリームです。これらは直径数mmの氷の球体で、口の中ですぐに溶け、強烈な清涼感が残りました。このアイスクリームの温度は、通常のアイスクリームと同じなんですが、なぜ、この氷の粒は素早く溶け、とても冷たく感じられるのでしょうか?

冷たいという知覚に影響を与えているものは、氷の存在だけではなく氷結晶サイズにあります。

大きな氷結晶は数個でも大量の小さな結晶と同じ体積になります。大きな結晶を持つアイスクリームを食べると、グラニテでは望ましいものですが、ざらざらした不快な口当たりになります。

そのため、アイスクリーム中の氷は小さな結晶である必要があります。氷結晶のサイズはアイスクリームメーカーの冷却温度によって変わります。凍結容器がより冷たければ冷たいほど、より多くの小さな氷結晶が形成されます。反対にアイスクリームメーカーが十分に消えていないと、小さな氷結晶の数は少ないのですが大きな結晶が生成されます。

小さな氷結晶は、大きな氷結晶と総量が同じであっても、その表面積ははるかに大きくなります。アイスクリームの温度は食べている間に上昇し、小さな氷結晶の表面積の合計値がより大きな来てれば融解がさらに促進されます。

氷が溶けている間、アイスクリームは、口から熱を吸収し、冷たい感覚を食べた人の舌に感じさせます。アイスクリームの溶ける速度が早ければ早いほど、吸収される熱も多くなり、より冷たく感じられます。

また、アイスクリームを食べたときに感じる冷たさを左右するのは、氷の量やアイスクリームの温度だけでなく、アイスクリームの作り方も関係しています。

つまり、アイスクリームの溶解と、溶解したときに伴う冷たい感覚を作り出すには、アイスクリームの製造温度をコントロールすることが大切だそうです。製造時の温度が低ければ低いほどアイスクリームはより冷たく感じられるそうです。

「Solero Shots」や「Calippo Shots」は、とても冷たい液体窒素内(-196℃)にアイスクリームのプレミックスを落とすことによって作られるため非常に小さな氷結晶を大量に形成しています。

そのため、その小さな光の粒を食べるときの温度は、他の市販のアイスクリームと同じにもかかわらず、製造方法によりかなり冷たく感じます。科学に基づいた料理を実践されている高級レストランで食事をした人の中には、この液体窒素によるアイスクリームを経験した人もいるのではないでしょうか?

このような理由で、非常に小さな氷結晶を持ちそれによってすぐに溶けアイスクリームからは、強い清涼感が生まれるのです。

アイスクリームの中には空気が多く含まれていないとダメ。

アイスクリームが凍結されている間に空気が混合され、その結果、気泡が形成されます。気泡がアイスクリームの中に含まれたままにするためには、技法をカプチーノの泡のように安定化させなければなりません。

そのためには、アイスクリーム中に気泡界面で気泡同士がぶつかってくっつくことを防ぐ成分が必要となります。

気泡がくっつくのを防ぐために、牛乳成分のタンパク質と半固形状油脂が役立ちます。そのため牛乳やクリームが入っているアイスクリームは、牛乳やクリームを含まないシャーベットなどよりも多くの気泡を含むことができます。

気泡はアイスクリームのテクスチャーにも大きな影響与えています。より多くの気泡が存在すればするほど、アイスクリームはよりふわふわになります。

気泡がアイスクリームをテクスチャーに及ぼす影響は、もう一つの重要な作用が強化しています。アイスクリーム中に取り込まれた気泡が、氷結晶を大きくならないないようにするということです。

アイスクリーム中の空気の気泡は、氷結晶を効果的に安定化させることで、なめらかなアイスクリームのテクスチャーを保存中も維持するのに役立っています。

アイスクリーム原料の役割

アイスクリーム中の氷と空気の存在が、その硬さ冷たさ、フワフワ感のような感覚的特性に深く関わっていることがわかりました。

氷と空気を除くと、未凍結のアイスクリームミックスの成分がアイスクリーム大部分を占めています。ミックスには砂糖が含まれていますが、塩や新鮮な果物、もしくは果物を濃縮したものが含まれていることもあります。

アイスクリームミックスが凍ると含まれている水が氷になるため、液相中の成分がより濃縮されます。これらの原料の濃度が水層の粘度を決定し、それがアイスクリームのテクスチャーにも関与します。

例えば、砂糖は、アイスクリームの構造やテクスチャーに良い影響を及ぼすことが知られています。砂糖は脂肪およびタンパク質と同様に空気を抱え込む性質があり、アイスクリーム中の気泡の移動を阻害するため、濃縮された糖溶液は、特に低温において粘度を持つようになります。

そのため、砂糖はなめらかなテクスチャーを生み出し、アイスクリームをより安定な状態にします。

また、砂糖は、アイスクリームが溶ける際もミックスに深みのあるボディー感を起こします。他にミックスに粘度を与える成分として、果物に含まれたペクチンやゼラチンなどがあります。これらの成分は、いわゆるバイオポリマーと呼ばれており、高分子で粘度に影響与えてますが、凍結に与える影響は砂糖ほどの効果はないと思います。

アイスクリーム対シャーベット

このようにアイスクリームの中に含まれた氷、空気、そしてミックス中の原料は、アイスクリームの食感やの安定性に大きな影響を及ぼします。

アイスクリームの微細構造には、脂肪球とタンパク質は、ミックス原料と気泡の間の境界面に存在しています。

通常、アイスクリームは、− 14~-9℃の温度帯で食べられていますが、その成分は、空気が約50%、氷結晶が約30%、ミックス15%、脂肪5%です。そしてアイスクリーム中の水の約60%が氷として存在しています。

アイスクリームクリームとシャーベットの違いは空気と乳製品です。アイスクリームには必ず乳製品が含まれているのに対し、シャーベットは主に糖溶液です。乳脂肪とタンパク質はアイスクリーム中への空気の取り込みを安定化させる効果を持っています。

保存中のシャーベットの安定性を増すため、タンパク質を分解したゼラチンが添加される場合があります。ゼラチンは、砂糖や塩と比べると、より大きな分子で構成されているため凝固点降下にはほとんど影響を与えません。しかし、ゼラチンは水と結合するため氷結晶の成長を減少させていると考えられます。

アイスクリームとシャーベットの必須成分

これまで書いてきたことをまとめると、アイスクリームやシャーベットを作る際に重要な成分は次の通りです。

水(氷と水)

凍結防止剤(水の凍結を防止する添加剤)

安定剤(アイスクリーム中の気泡を安定させる添加剤)

脂肪


つまり基本的な成分がすべて最適な役割で合わせれば、ほとんどのものはアイスクリームができるということです。

水はジュース、炭酸飲料、果物、野菜ビールといってすべての食品や飲料中に存在しています。これらが冷やされるとアイスクリームメーカーの温度といった中の添加物にもよりますが、水の一部が固体の氷へと変わります。

この氷の量をコントロールするために、塩やアルコールなど水の凝固点降下のある成分を特定の割合で添加する必要があり、その量や種類を考える楽しさがありますさらに風味どのような影響及ぼすかを念頭に置くことによって、個性的なアイスクリーム生み出すことができます。

つまり、甘いアイスクリームの代わりに塩味またはアルコール風味のアイスクリームを作ることができます。しかし、砂糖を他の成分で代替する場合、テクスチャーの変わる可能性があることを覚えておきましょう。

砂糖なしアイスクリームの場合、ミックス粘度は低くなります。しかし、ゼラチンのようなテクスチャー剤をテクスチャー損失補うために添加することも可能です。、多くのアイスクリームには、クリームと牛乳が、脂肪とタンパク質源として加えられています。しかし、チーズ、ヨーグルト、粉ミルク、魚、肉、ピーナッツバター、チョコレートなどにも脂肪やタンパク質が含まれているためアイスクリームの原料に加えることができます。

このように、成分の種類と組み合わせは無限大ですので、従来の発想を超えるようなアイスクリーム作るのはあなたの想像自身が想像する次第で変えられるかもしれませんね。

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