Kitchen LAB&BAR/キッチンが俺の研究所であり、バルである

~料理に少しのサイエンスを、キッチンにクリエイティブを、そして嫁に褒められるメシを作りたい〜

マイクロ蒸留所を巡る旅行に行ってみたい。

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世界のマイクロ蒸留所を巡ってみたい

バーだけでなく、レストランでもクラフト系スピリッツに力を入れる店が最近増えていることにお気づきでしょうか?その人気を牽引するのが、少量生産で個性豊かな味を生み出す小さな蒸留所です。各国で誕生しているマイクロの蒸留所を色々と訪ねてみたいなぁ、という夢があります。お金があったらなぁ。

ポートランドではワイン人気を超えたスピリッツ

まず、小さな蒸留所に興味を持ったのは3年前にですね。仕事でアメリカオレゴン州ポートランドに行ったことがありました。


上質なライフスタイルとDIY精神が根付いたこの街は、新旧様々なハードスピリッツの蒸留所があることでも知られています。セントラル・イーストサイドには、蒸留所が集中するディスティラリー・ロウでテイスティングツアーに参加しました。

意外だったのが、スピリッツと言えばおっさん臭い酒やと思ってたんですけど、このポートランドでは、ワインよりもウォッカやウイスキーが女性に大人気でした。バーカウンターには、ウイスキーロックで氷をコロコロ転がしてる女性も多かったですね。


少量生産やけども、それぞれに個性があって良質なハードリカーの蒸留所、若手リカーたちが集まって競争している感じが伝わってきます。

地元で採れたジュニパーベリーやハーブ、スパイスなど植物由来の素材で作るボタニカルジン、チリに入ったスパイシーなウォッカ、『スタンプタウン・コーヒー・ロースターズ』コーヒーリキュールや、季節のフルーツを使ったリキュールなど、飲みやすくて魅力的な商品が続々と登場しているのが大きな理由です。

例えばニューディール蒸留所のウイスキーメイキンググラスは、女性の参加者が男性を上回ることもあるそうです。

今や男しかウイスキーが好きじゃないって思うのはナンセンスだね。って笑われました。テイスティングルームにはひっきりなしに女性が訪れているよとオーナーで蒸留家のトムさんが話してくれました。

カクテルを楽しむためのこだわりの道具店も

ポートランドは周囲が山に囲まれて、こじんまりとした街です。街にはレストランもありますが、どちらかというと仕事が終われば家に帰って家族団欒を大切にしている人が多い印象でした。

こんな街でのクラフトスピリッツの需要が高まったのは、自家製カクテル人気が後押ししていす。酒税による規制が緩く、家でビールを作る文化があったポートランドでは、自家製のカクテルを作るのがトレンドだそうです。クラフトビールよりもカクテルの方が味、種類、材料と幅が広く楽しめることが人気の理由です。

厳選したバーウェアを扱う「ブル・イン・チャイナ」は、2015年の4月にショップ兼ショールームオープンしたばかりのときに、私も訪れることができました。地元の職人によるクラフツマンシップに溢れるバーウェアのプロデュースも行っており、プロのバーテンダーのみならず、その多くは一般の客だそうです。

おいしいハードスピリッツがあれば、ジュースやシロップを加え.簡単にカクテルが作れます。ショップではレシピカードをゲストに配ったり、ウェブでレシピを紹介して自宅でカクテルを作ることを勧めています。ここの共同オーナーであるルーカス・ブランとダニエルオズボーンもトップバーテンダーでもあって、彼らが主催するカクテルクラスはいつも満員御礼のようでした。

実はニューヨークにも水道水で作る蒸留所がある

ポートランドの他にもマイクロ蒸留所が増えていて、行ってみたいなぁと思う憧れの場所があります。

まず、ニューヨークのブルックリン。1920年代の禁酒法以来、酒造業と無縁だったニューヨークでしたが、酒税法の緩和を契機にこの10年でマイクロ醸造がブームに。そのブルックリンには、今ではなんと15軒以上も醸造所が生まれているそうです。

その中でも「ザ・ノーブル・エクスペリメント」にはぜひ行ってみて欲しい。ここはアメリカでも数少ないラムの醸造所。この醸造所を立ち上げたのは、酒造りには縁がなかったと思える投資アナリストだったというブリジット・ファートルという女性。

原料は国内産サトウキビのモラセス(糖蜜)にイースト、水のみ。お酒と言えば、水が美味しいところで作るというイメージですが、水道水で作ってしまうところが先入観から解放された女性らしい発想やなぁと思ってしまいました。確かにニューヨークの下水設備はかなり整えられていて、全米一の水道水かもしれません。このニューヨーク・ウォーターが美味しさの秘密だそうですけど。

また、ラムの発酵は1日程度という早いわけですが、発酵に5日を費やし、まろやかな風味を引き出したのも特徴的です。彼女にとってゼロから始めたラム造りですが、今やこの醸造所は国内外から人が訪れる名所になっています。僕もぜひ行ってみたい。

ニューヨークらしい風刺の文化が反映され、禁酒法にちなんだ名を冠した『オウニーズ・ニューヨーク・ラム』には、この地に酒造の灯火を再び燃やそうという決意も秘められているようも思いますね。

owneys.com

パリにできた遊び心溢れる蒸留所

他にはパリ。パリにもメイドインパリの蒸留酒。パリ中心部に蒸留所を構える『ディスティルリー・ド・パリ』です。創業者は、エビスリー(食材店)で知られるジュレス一族のセバスチャンとニコロ兄弟。

100年以上、防火のために蒸留所をパリ市内に作ることを禁止されていましたが、彼らが一つ一つの市から許可を取り、流行りのクラウドファウンディングで資金を調達して2015年に開業したマイクロ蒸留所。蒸留所はパリ10区のエビスリーの裏手に位置し、ジン、ウォッカ、ラムなどを生産。


『ディスティルリー・ド・パリ』では創業してから3年程度ですが、既に50種以上の品を揃えています。

どうしてこんなに品揃えが豊富なのか。その理由は、マイクロ蒸留所ならではの理由。この蒸留所はまさに実験室。2種の木材を使った特注の小樽を使用したり、くるみをそのまま蒸留したり、酒にハーブを漬け込んだ後に蒸留し数種をブレレンドしてみたりと、ユニークな味を造り出されているそうです。このブログのコンセプト。(コンセプトだけでも忙しい時には無視される。)

この蒸留所を知ったきっかけとなったお酒『ディスティレリ・ド・パリ・ジン・バッチ』口に含めば様々な草花のイメージがモザイクのように浮かんだり、クミンやコリアンダーなどのスパイスが重層的に現れます。ユニークな味わいが評判となって、今では百貨店ル・ボン・マルシェなどから限定品の発注も増えているそうです。

www.distillerie.paris


かつての古めかしい印象を覆されていて、若い醸造家のチャレンジで今やオシャレと個性の象徴となりつつあるスピリッツ。ボトルを並べるだけのファッションとしてだけでなく、より親近感を持ってお酒の味を楽しめる存在になっていくんでしょうね。日本でもラムやジンの蒸留所が増えてきて欲しいなぁと思うばかりです。